不動産向けAI研修7社の比較と選び方
不動産向けのAI研修は、業界を絞り込んだ会社と、汎用の法人研修を不動産にも当てはめる会社に分かれます。ここで挙げる7社は、住宅・不動産の業務を題材にした研修やコンテンツを公式サイトで公開している会社です。
研修会社を比べるときに見る場所は、料金表よりも先に題材と成果物です。物件資料や顧客対応がそのまま演習に出てくるかどうかで、研修後に現場が変わるかが決まります。
目次
不動産・住宅向けのAI研修を提供する会社7選
住宅・不動産の業務を題材にした研修やコンテンツを公開しているのは、不動産AI、SHO-SAN、リブ・コンサルティング、カナン、船井総合研究所、デジライズ、インソースの7社です。6社は業界向けの専用メニューを持ち、残る1社は汎用研修に不動産向けの活用事例を加えています。
| 会社名 | 主な対象 | 提供形式 | 公開されている料金 |
|---|---|---|---|
| 不動産AI(Atkid株式会社) | 売買仲介・賃貸・管理の全社員/経営層 | オンライン・訪問 | 研修1人20万円〜(14時間〜) |
| 株式会社SHO-SAN | 工務店・住宅会社 | オンライン動画+月次研究会 | 月額19,980円〜(税抜・規模別) |
| 株式会社リブ・コンサルティング | 住宅不動産企業の経営者・経営幹部 | オンライン定例会+リアル開催 | 月会費110,000円(税込) |
| カナン株式会社 | 不動産会社の全社員・役員・管理職 | 講師派遣・オンライン | 見積提示(サイトに記載なし) |
| 株式会社船井総合研究所 | 住宅会社・不動産会社の経営層 | オンラインセミナー | 一般11,000円・会員8,800円(税込) |
| 株式会社デジライズ | 法人全般(部門別) | 対面・オンライン | サイトに記載なし |
| 株式会社インソース | 住宅メーカーの営業職 | オンライン公開講座 | サイトに記載なし |
料金と提供内容は改定されることがあります。実際の申し込み前には、各社の公式サイトと見積書で最新の条件を確認してください。
不動産AI(Atkid株式会社)
売買仲介から賃貸、管理まで、不動産の実務だけを題材にした研修を全国のオンラインと訪問で提供しています。1名から受講でき、費用は1人あたり20万円から、時間は14時間からが目安です。
- カリキュラムは3段階で、安全な使い方、業務フロー実装、チームでの運用の順に進みます
- 実施形式は1日集中研修に2時間×6回の実践セッションを組み合わせます
- 個人情報と宅建業法の観点から、任せてよい作業と人が確認する作業の線引きを扱います
- 研修後はプランに応じて30〜90日のチャットサポートが付きます
演習で作るのは知識メモではなく、翌週から使える下書きフローとプロンプトの型です。扱う題材の詳細はカリキュラムで公開しています。
対応可能なAIツール
- Claude Code
- ChatGPT
- Gemini
| サービス名 | 不動産AI |
|---|---|
| 運営会社 | Atkid(アットキッド)株式会社 |
| 所在地 | 〒192-0082 東京都八王子市東町1番14号 橋完ビル4階E号室 |
| 代表者 | 中澤 寛 |
| 研修・導入支援担当者 | 加藤 麗華 |
| 創業 | 2014年4月 |
| 事業内容 | 不動産業界特化のAI研修・導入支援 |
| 対応エリア | 全国(オンライン対応) |
| サービスサイト | https://fudo-ai.com |
株式会社SHO-SAN(Build AI Academy)
工務店と住宅会社に絞ったオンライン学習サービスで、規模別の月額制を公式サイトで公開しています。10名までなら月額19,980円(税抜)から利用できます。
- AI基礎、ChatGPT、Gemini、営業、設計・積算、マーケティング、経営までの動画を100本以上そろえています
- 動画は毎月10本以上が追加されます
- 毎月のAI活用研究会と専用のLINEコミュニティが付きます
- 料金は11〜30名で月額49,800円、31〜50名で月額98,000円(いずれも税抜)です
受講のタイミングを各社員に任せられるため、店舗や現場が分散していても人数を集めやすい形です。運営元は2019年10月に事業を開始した株式会社SHO-SANで、本社は東京都杉並区にあります。
株式会社リブ・コンサルティング(住宅不動産業界 生成AI・ChatGPT研究会)
住宅不動産企業の経営者と経営幹部に対象を限定した月額制の研究会です。月会費は110,000円(税込)で、1社あたり5名まで参加できます。
- 定例会は月1回のZoom開催で、各社の成功事例発表と共有から始まります
- 最新トレンド情報講座、GPTs実践塾、定期レビューが組み合わされています
- コンテストは東京本社でのリアル開催です
- 住宅不動産業界に絞った応用事例とワークショップを扱います
1社の社内研修ではなく、同業他社の実践を持ち寄る形が特徴です。運営元は2012年7月設立の株式会社リブ・コンサルティングで、経営コンサルティングを本業としています。
カナン株式会社
不動産会社向けのDX研修と生成AI研修を、講師派遣とオンラインの両方で提供しています。料金は公開されておらず、依頼内容に基づいて見積金額が提示されます。
- ChatGPT研修、Gemini研修、Microsoft 365 Copilot研修が用意されています
- 不動産DX研修は基礎編と実践編に分かれ、施設管理DX研修や住宅DX研修も選べます
- 対象は全社員、役員・経営層、管理職、営業、新入社員と階層別に整理されています
- 構成は講義60〜240分のほか、講義にワークやディスカッションを組み合わせた形も選べます
不動産会社に加えて、施設管理会社や住宅会社ごとにメニューが分かれている点が他社と異なります。本社は石川県小松市で、代表取締役の桂木夏彦氏が講師を務めます。
株式会社船井総合研究所
住宅・不動産業界のコンサルティングを本業とし、生成AIの活用事例をオンラインセミナーで公開しています。参加費は一般11,000円、会員8,800円(いずれも税込)です。
- 画像生成AIを使った家具のはめ込みなど、住宅・不動産に寄せた実例を扱います
- ChatGPTによる文章生成と画像生成AIの組み合わせ方を学べます
- 開催はWEBセミナー形式です
- 内容と価格は開催回ごとに変わります
継続的な社内研修というより、経営層が業界の動向をつかむ入り口として使いやすい形です。運営元は2013年11月設立の株式会社船井総合研究所で、東京と大阪に本社を置いています。
株式会社デジライズ
業種を限定しない法人向けの生成AI実践研修を、ワーク形式で提供しています。料金は公式サイトに記載がなく、問い合わせが必要です。
- 営業、企画、人事、現場といった部門ごとの課題に合わせて内容を組みます
- ChatGPTなどのツールを業務シーンに即した演習で扱います
- 公式サイトでは、東京商工リサーチの2026年3月末時点の調査を出典として、法人向けAIリスキリングサービスの導入社数No.1を掲げています
- 不動産業務向けのプロンプト事例を自社メディアで公開しています
不動産専業ではありませんが、査定資料や重要事項説明のドラフトまで踏み込んだ事例を公開しています。2023年7月設立で、本社は東京都港区です。
株式会社インソース
公開講座として「住宅メーカー営業向けChatGPT研修〜対話を通して提案力を高める」を用意しています。対象は住宅メーカーの営業職で、オンラインで受講できます。
- 生成AIを営業提案に活かすスキルの習得を目的としています
- 対話を通じて提案力を高める構成です
- 対象講座の公式ページに料金の記載がないため、受講料は問い合わせで確認します
- 幅広い階層別研修を持つため、AI研修と他の研修を組み合わせやすい形です
1名から公開講座に参加できるため、まず数名で試してから社内展開を判断したい会社に向きます。本社は東京都千代田区神田小川町です。
不動産特化のAI研修と汎用のAI研修は何が違うのか
違いは演習の題材で、汎用型はAIそのものの使い方、特化型は物件資料や顧客対応といった不動産の実務を扱います。同じ受講時間でも、持ち帰るものが理解か使える型かに分かれます。
不動産の仕事は書類作成と対人対応が入り組んでいて、AIに任せる部分と人が確認する部分の線引きが業種ごとに違います。この線引きを扱わない研修では、受講後に現場が動きません。
汎用型はAIの使い方、特化型は業務の変え方を扱う
汎用型の到達点はプロンプトを書けるようになることで、特化型の到達点は業務フローが変わることです。両者は上下関係ではなく、目的の置き方が違います。
- 汎用型の題材は業種横断の一般例で、特化型の題材は物件・顧客・契約です
- 汎用型の成果物はプロンプトの理解で、特化型の成果物は業務フローと型です
- 法令や機微情報の扱いは、汎用型では一般論、特化型では個人情報と宅建業の観点まで入ります
- 定着支援は汎用型では講義のみが多く、特化型ではガイドライン整備まで含むことがあります
自社と一般的な研修の違いは他社比較でも整理しています。
汎用型で足りるケースと特化型を選ぶケース
社員がまだ生成AIに触れていない段階なら汎用型で十分です。個人単位で使い始めて成果がばらついているなら、特化型が向きます。
- 汎用型が向くのは、まず全社の基礎リテラシーをそろえたい場合です
- 特化型が向くのは、営業や管理の特定業務で時間を削りたい場合です
- 特化型が向くのは、重要事項説明や査定など確認責任が重い業務にAIを使いたい場合です
- 両方を組み合わせ、基礎は汎用型、実務は特化型と分ける進め方もあります
予算が限られている場合は、経営層と現場のキーマンだけ特化型を受け、残りを汎用型でそろえる分け方もあります。全社を一斉にどちらかへ寄せる必要はありません。
不動産会社がAI研修会社を選ぶときの5つの比較軸
比べる順番は、不動産業界での提供実績、カリキュラムの変更可否、受講形式、研修後のフォロー体制、費用の根拠の5点です。この5つを同じ表に並べると、料金だけでは見えない差がはっきりします。
1. 不動産業界での提供実績があるか
実績の有無は、公式サイトに住宅・不動産向けの専用メニューや事例が載っているかで判断できます。業界名がサービス名にも事例にも出てこない場合、演習は一般例になる可能性が高いです。
- 不動産向けの専用ページやコースがあるか
- 物件資料、追客、オーナー報告といった業務名が具体的に出てくるか
- 売買、賃貸、管理のどの領域に強いかが書かれているか
2. 自社の業務に合わせてカリキュラムを変更できるか
変更できるかどうかは、事前ヒアリングで演習題材を差し替えられるかに表れます。同じ不動産会社でも売買仲介と管理会社では削りたい業務が違うため、既製コースのままでは自社の課題に当たりません。
- 事前ヒアリングで演習題材を差し替えられるか
- 利用中のメールやCRMに近い環境で演習できるか
- 複数拠点や職種混在でも設計を分けられるか
3. 受講形式が現場の稼働に合うか
店舗や現場が分散している会社ほど、集合研修より非同期で受けられる形式が向きます。逆に、その場で型を作りきりたいなら集合形式のほうが確実です。
- オンライン動画は各自のタイミングで受けられる代わりに、進み方に差が出ます
- 講師派遣の集合研修は日程調整が必要な代わりに、その場で成果物を作れます
- 月額制の研究会は継続的に情報が入る代わりに、社内展開は自社で担います
迷う場合は、まず数名でオンライン講座を試し、型が見えた段階で集合研修へ切り替える順番が現実的です。最初から全社一斉に集合研修を組むと、日程調整だけで数か月かかることがあります。
4. 研修後のフォロー体制があるか
講義だけで終わる研修は、受講直後の熱量が下がった時点で使われなくなります。研修後に質問できる窓口や、社内ルールの整備支援が付いているかを確認してください。
- 研修後のチャットサポートや質問窓口の有無と期間
- 社内ガイドラインや禁止事項のひな形が提供されるか
- プロンプトを社内で共有する仕組みまで扱うか
5. 費用の根拠が確認できるか
料金は公開している会社と見積提示のみの会社に分かれるため、単価だけでなく含まれる時間と人数を並べて比べます。1人あたりの金額に見えても、最低人数や最低時間が設定されていることがあります。
- 金額に含まれる時間数と回数
- 最小受講人数と、人数が増えたときの単価の変化
- フォロー期間や教材が別料金かどうか
見積書を受け取ったら、1人あたりの金額を時間数で割り、時間単価に直すと比べやすくなります。教材やフォローが別料金の場合は、その分も合算してから判断してください。
不動産の実務別に見るAI研修のカリキュラム
扱う題材は職種で分かれ、営業なら物件紹介文と追客メール、賃貸管理ならオーナー報告と通知文が中心になります。契約事務では書類のドラフトと確認リスト、経営層では利用ルールと投資判断が題材です。
全社員に同じ内容を配ると、どの層にも刺さらない研修になりがちです。職種ごとに演習を分けられるかは、研修会社を選ぶ段階で確認してください。
売買・賃貸の営業担当者向け
営業で削れるのは、顧客対応そのものではなく、その前後の文章作成と調整の時間です。下書きをAIに任せ、最終確認を人が行う型を作ります。
- 物件情報から紹介文や案内文を作り、品質を一定にそろえる
- 問い合わせへの返信文と追客メールの下書きを短時間で用意する
- 内見スケジュールの調整連絡をテンプレート化する
- ヒアリング項目の整理と、想定質問への回答準備に使う
賃貸管理・オーナー対応の担当者向け
管理業務では、毎月繰り返す報告と通知の作成がまとまった時間を占めます。定型文の型を作れば、担当者が変わっても品質が落ちません。
- オーナー向けの月次報告と年次報告の下書きを自動化する
- 更新、退去、滞納など状況別の通知文を段階に応じて作り分ける
- 入居者からの問い合わせに対するFAQを整理する
- 収支や稼働の集計結果を文章に起こす
契約・事務担当者向け
契約まわりでは、作成そのものより確認の抜け漏れを防ぐ使い方が中心になります。ドラフト作成と確認リストの生成を分けて考えます。
- 物件情報のサマリーを決まった形式でまとめる
- 書類のドラフトを用意し、必ず有資格者が内容を確認する
- 確認項目のチェックリストを案件の種別ごとに生成する
- 社内共有ドキュメントや進捗レポートの型をそろえる
経営層・管理職向け
経営層が決めるのは操作方法ではなく、どこまで任せるかのルールと投資の判断基準です。ここが決まらないと、現場は使ってよいか分からないまま止まります。
- 実データを使わない運用やマスキングなど、機微情報の扱い方を決める
- 社内ガイドラインと禁止事項、承認フローを整える
- 削減できた時間をどの業務に振り替えるかを決める
- 効果測定の基準を導入前に設定する
ルールを決めるのは制限のためではなく、現場が迷わず使えるようにするためです。禁止事項だけを並べると使われなくなるため、任せてよい作業も同じ資料に明記してください。
不動産会社のAI研修にかかる費用の目安
費用は受講形式で決まり、月額制のオンライン講座は月額2万円前後から、経営層向けの研究会は月会費11万円が目安です。自社の業務まで作り込む研修は1人20万円前後から、単発のセミナーは1回1万円前後で参加できます。
今回の7社では月額や参加費を公開しているのが4社で、残る3社は問い合わせが前提でした。単価ではなく、含まれる時間数とフォロー期間までそろえて比べてください。
eラーニング・サブスクリプション型
月額制で動画やコミュニティを提供する形式で、10名規模なら月額2万円前後から利用できます。1人あたりの単価はもっとも安く抑えられます。
- 受講のタイミングを各自に任せられる
- 拠点が分散していても人数を集めやすい
- 進み方に個人差が出るため、社内で進捗を追う担当が必要になる
講師派遣型・集合研修型
講師を招いて実施する形式で、今回の7社では料金を公開しておらず、依頼内容に応じた見積提示が基本でした。その場で成果物を作りきれる点が強みです。
- 参加者の理解度に合わせて講師がその場で調整できる
- 日程を全員でそろえる必要がある
- 1回きりで終わると定着しないため、回数の設計が要る
伴走型・カスタマイズ型
自社の業務を題材に演習を組み、研修後のフォローまで含める形式です。1人20万円前後からで、時間数は14時間程度からが目安になります。
- 物件資料や顧客対応など、自社の実務がそのまま演習題材になる
- 研修中に作った型を翌週から使える
- フォロー期間や対象人数によって総額が変わる
自社の料金体系は料金プランで公開しています。
不動産会社のAI研修に使える助成金
職務に関連する訓練として支給要件を満たせば、厚生労働省の人材開発支援助成金の対象になり、中小企業がOFF-JTを実施した場合の経費助成率は45%です。人材育成支援コースの人材育成訓練の場合で、賃金要件などを満たすと15%が上乗せされ60%になります。
対象が有期契約労働者などの場合は経費助成率が70%となり、上乗せ後は85%です。賃金助成は1人1コース1時間あたり800円で、賃金を増額した場合は200円が加算されます。
人材開発支援助成金の対象と助成率
雇用保険の適用事業所であることが前提で、職務に関連した訓練を計画に沿って実施した場合に支給されます。助成率はコースと雇用形態で変わるため、自社が使うコースの要件を確認してください。
- 中小企業の経費助成率は45%で、要件を満たすと60%になります
- 有期契約労働者などが対象の場合は70%で、上乗せ後は85%になります
- 賃金助成は1時間あたり800円で、増額時は1,000円になります
- eラーニングや通信制の訓練では賃金助成は支給されません
- DXなど新分野の訓練を対象とする別コースもあり、助成率と期限は異なります
申請は研修を始める前に手続きする
職業訓練実施計画届は、通常の定額制サービス以外の訓練では原則として訓練開始日の6か月前から1か月前までに提出します。受講後にさかのぼって申請することはできません。
- 訓練の内容と時間数が要件を満たすかを事前に確認する
- 提出期限から逆算して研修日程を決める(定額制サービスなどは取扱いが異なる)
- 最新の要件は厚生労働省と都道府県労働局の資料で確認する
申請の可否は労働局の判断になるため、研修会社が助成金の対象を保証することはできません。要件の確認と書類の準備は、余裕を持って自社で進めてください。
コース別の助成率と上限額、計画届の提出期限はAI研修に使える助成金で整理しています。本社が都内にある場合は東京都独自の制度も使えるため、東京の法人向けAI研修7社の比較と選び方もあわせて確認してください。
研修を現場に定着させる進め方と失敗パターン
定着する会社は、業務の棚卸し、到達状態の設定、少人数での試行、全社展開、効果測定の5つの段階で進めます。研修を1回のイベントとして扱うと、受講直後をピークに使われなくなります。
導入から定着までの5ステップ
最初にやるのは研修会社選びではなく、削りたい業務を決めることです。目標が決まっていれば、研修中に作る成果物も自然に決まります。
- デスク業務を棚卸しし、時間を取られている作業を絞り込む
- 研修後にどの状態になっていれば成功かを決める
- 少人数で試し、使えるプロンプトと使えないものを見分ける
- 型が固まってから全社や他拠点へ広げる
- 導入前に決めた基準で効果を測り、次の対象業務を決める
実施までの流れは導入の流れで公開しています。
定着しない会社に共通する3つのパターン
使われなくなる原因は個人のスキルではなく、設計にあります。経営層の関与、現場との距離、継続性の3つが典型です。
- 経営層が方針を示さず、現場が使ってよいか判断できないまま止まる
- 演習が一般例で、自社の業務に置き換える作業が受講者任せになる
- 研修が1回で終わり、質問できる相手がいなくなる
いずれも研修の内容ではなく、研修の前後で決めるべきことが決まっていないために起きます。研修会社を決める前に、経営層の方針、対象業務、質問先の3つを先に固めてください。
重要事項説明や査定にAIを使うときの確認責任
AIが作った文章はあくまで下書きで、内容の責任は作成した会社と有資格者にあります。重要事項説明書や査定の根拠に使う場合は、確認の手順を先に決めてください。
- 重要事項説明の記載は、必ず宅地建物取引士が内容を確認する
- 査定の数値や根拠をAIの出力のまま顧客へ提示しない
- 顧客情報や物件情報を入力してよい範囲を社内規程で定める
- 実データを使わない演習やマスキングを研修段階から徹底する
よくある質問
- 1名だけでもAI研修を受けられますか。
- 会社によりますが、1名から受講できるところもあります。公開講座や月額制のオンライン講座は少人数から始めやすく、まず数名で試してから社内展開を判断する進め方もできます。
- 研修が始まるまでどのくらいかかりますか。
- カリキュラムを決めてからであれば、最短で数日後に開催できる会社もあります。ただし助成金を使う場合は、原則として訓練開始日の1か月前までに計画届を提出する必要があるため、その分の期間を見込んでください。
- オンラインだけでも効果はありますか。
- 効果は形式より設計で決まります。オンラインでも自社の業務を題材にして成果物を作る構成であれば、集合研修と同じように現場で使える型が残ります。
- 小規模な不動産会社でも意味はありますか。
- 人数が少ない会社ほど、1人が抱える業務の幅が広く、削減効果が見えやすくなります。月額制のオンライン講座なら、少人数でも費用を抑えて始められます。
- 売買・賃貸・管理のどの領域でも対応できますか。
- 不動産に特化した研修であれば、領域ごとに演習を差し替えて対応するのが一般的です。申し込み前に、自社の主業務を題材にできるかを確認してください。
- 助成金を使う場合でも研修会社は自由に選べますか。
- コースごとに訓練の要件が決まっているため、時間数や内容が要件を満たすかを先に確認する必要があります。研修会社に助成金を使った実施の経験があるかを聞き、計画届の提出期限から逆算して日程を決めてください。
- 個人情報や物件情報を入力しても大丈夫ですか。
- 入力してよい範囲は社内規程で先に決めておく必要があります。研修の段階では実データを使わない運用やマスキングした例題を使い、扱い方そのものをカリキュラムに含めるのが安全です。
まとめ
不動産会社のAI研修は、業界特化かどうかと、研修後に自社の業務が変わる設計になっているかの2点で選ぶと外しません。料金の比較は、含まれる時間数とフォロー期間をそろえてからで十分です。
研修を設計していて繰り返し見えるのは、時間を奪うのが顧客対応ではなく、その前後の文章作成と調整だという点です。自社で実施した研修でも、変化が出たのは商談や接客ではなくデスクワークの側でした。
- 売買仲介で営業20名の会社では、メールと日程調整にかかっていた残業が目に見えて減りました
- 接客中心の賃貸仲介では、物件資料と連絡文の作成スピードが約2倍になりました
- 管理会社では、レポート作成の毎週のルーティンが大幅に短縮されました
3社に共通していたのは、研修中に成果物を作りきったかどうかでした。実際の変化は導入事例で紹介しています。
どの領域から手を付けるか迷う場合は、削りたい業務を1つ決めてから研修会社を比べてください。